会社のAさんのこと。
私は、証券会社の管理課というところで働いている。
仕事は営業さんの管理、サポートが主。
私の一番の仕事は営業さんがお客さんに対してどんな取引をしたか記す日誌のチェック。
その中でいつも気になっている人がいた。今年4月から3年目社員になったAさんだ。Aさんの同期の営業さんに比べたら取引が極端に少ないのだ。持っている顧客も少ない。
証券会社の営業は大変だ。まず、電話での売り込み案内、これはほとんど断られる。100件かけて1件あたればいいほうだという。そこから感触の良かった人の所に対面に行く。そこでも大体断られる。でも、何度も何度も通ったり、電話をかけて継続して接触する。うまい営業さんはそれを顧客にすることができる。そしてお客さんが好きそうな株だったり、債券だったりをみつくろって勧めて買ってもらう。
Aさんは毎日50件くらい電話をかけている。対面に行ったり、飛び込みで家を回ったりもしている。でも、お客さんが数人しかつかないのだ。
私はなんでなんだろう、あれだけがんばってるのに、なんでなんだろうな、といつも思っていた。他のみんなと同じように電話したり飛び込みしたりしてるのに。そんなAさんを私は陰ながら密かに応援していた。別に好意があるわけじゃない。なんとなく。
たまにお客さんに投資信託を買ったもらった日誌をみつけたら、「やったね、Aさん!がんばったね!」って心の中で思っていた。
そんなAさんが、7月一杯で会社を辞める事を聞いた。
どうやらAさんは大学院に行きたいので、自分を内勤にして欲しい、と上司に頼んだらしい。それが受理されなかったのだ。まぁ、今の時代、そんな甘い事は無理だとは思うけど、私はショックだった。
辞めると決まる前でも、何となくAさんに対する風当たりは強かった。稼げないやつ=お荷物的な雰囲気が漂っているのだ。お前、もう3年社員だろ、同期を見てみろよ、、、っていう感じ。
証券会社の商品は元本が保証されない商品ばかりなので、必ず儲かるとも言えないし、損する事もある。それを買ってもらう訳だから、それなりに話術が必要なんだろうな、と思う。悪く言えば、お客さんをうまい具合に乗せて買ってもらう訳だ。一つの事をいうのにもオブラートに包んで言ってみたり、色んな角度から話ができないとダメだと思う。Aさんはきっとストレートにしか話が出来なくて、すごく正直な人なんじゃないかな、と思った。
私は長年仕事をしてきて、よく「社会は厳しい」と言われるけど、何となくぴんと来ていなかった。徹夜したり大変な時はあったけど、それが厳しいとは思わなかった。デザインの仕事は職人さんみたいなものだ。アーティストではないので、お金を払うクライアントの意向を組んで、その中に自分らしさを入れて、クライアントが気に入るか気に入らないかが評価となる。気に入らなかったら創り直してあの手この手を使って気に入るまで創る。がんばって、気持を込めてつくればそれはかならず相手に伝わる。「あの人のデザインってなんかいいんだよね〜〜」っていう漠然とした評価。
でも、金融の営業は違う。数字となってはっきり現れる。どんなに頑張ってもどんだけ電話をかけても、顧客がお金を出さなければ、評価されない。その人のがんばりは一切加味されないのだ。
私はこの全く違った世界に来て、社会は厳しいなぁ、と思った。
Aさんはまだ若い。辞めて本当に大学院にいくのかは知らないけど、Aさんに合った道を見つけて欲しいと思う。営業だって沢山の種類がある。沢山模索して、自分が輝けるステージを見つけてもらいたいと思う。
Aさん、ファイトだよ。
仕事は営業さんの管理、サポートが主。
私の一番の仕事は営業さんがお客さんに対してどんな取引をしたか記す日誌のチェック。
その中でいつも気になっている人がいた。今年4月から3年目社員になったAさんだ。Aさんの同期の営業さんに比べたら取引が極端に少ないのだ。持っている顧客も少ない。
証券会社の営業は大変だ。まず、電話での売り込み案内、これはほとんど断られる。100件かけて1件あたればいいほうだという。そこから感触の良かった人の所に対面に行く。そこでも大体断られる。でも、何度も何度も通ったり、電話をかけて継続して接触する。うまい営業さんはそれを顧客にすることができる。そしてお客さんが好きそうな株だったり、債券だったりをみつくろって勧めて買ってもらう。
Aさんは毎日50件くらい電話をかけている。対面に行ったり、飛び込みで家を回ったりもしている。でも、お客さんが数人しかつかないのだ。
私はなんでなんだろう、あれだけがんばってるのに、なんでなんだろうな、といつも思っていた。他のみんなと同じように電話したり飛び込みしたりしてるのに。そんなAさんを私は陰ながら密かに応援していた。別に好意があるわけじゃない。なんとなく。
たまにお客さんに投資信託を買ったもらった日誌をみつけたら、「やったね、Aさん!がんばったね!」って心の中で思っていた。
そんなAさんが、7月一杯で会社を辞める事を聞いた。
どうやらAさんは大学院に行きたいので、自分を内勤にして欲しい、と上司に頼んだらしい。それが受理されなかったのだ。まぁ、今の時代、そんな甘い事は無理だとは思うけど、私はショックだった。
辞めると決まる前でも、何となくAさんに対する風当たりは強かった。稼げないやつ=お荷物的な雰囲気が漂っているのだ。お前、もう3年社員だろ、同期を見てみろよ、、、っていう感じ。
証券会社の商品は元本が保証されない商品ばかりなので、必ず儲かるとも言えないし、損する事もある。それを買ってもらう訳だから、それなりに話術が必要なんだろうな、と思う。悪く言えば、お客さんをうまい具合に乗せて買ってもらう訳だ。一つの事をいうのにもオブラートに包んで言ってみたり、色んな角度から話ができないとダメだと思う。Aさんはきっとストレートにしか話が出来なくて、すごく正直な人なんじゃないかな、と思った。
私は長年仕事をしてきて、よく「社会は厳しい」と言われるけど、何となくぴんと来ていなかった。徹夜したり大変な時はあったけど、それが厳しいとは思わなかった。デザインの仕事は職人さんみたいなものだ。アーティストではないので、お金を払うクライアントの意向を組んで、その中に自分らしさを入れて、クライアントが気に入るか気に入らないかが評価となる。気に入らなかったら創り直してあの手この手を使って気に入るまで創る。がんばって、気持を込めてつくればそれはかならず相手に伝わる。「あの人のデザインってなんかいいんだよね〜〜」っていう漠然とした評価。
でも、金融の営業は違う。数字となってはっきり現れる。どんなに頑張ってもどんだけ電話をかけても、顧客がお金を出さなければ、評価されない。その人のがんばりは一切加味されないのだ。
私はこの全く違った世界に来て、社会は厳しいなぁ、と思った。
Aさんはまだ若い。辞めて本当に大学院にいくのかは知らないけど、Aさんに合った道を見つけて欲しいと思う。営業だって沢山の種類がある。沢山模索して、自分が輝けるステージを見つけてもらいたいと思う。
Aさん、ファイトだよ。
by danwa
| 2009-06-16 22:00
| 思った
半径2m以内の出来事日記。
by danwa
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自己紹介
2007年7月より「抑うつ」になりました。2009年3月に「抑うつ神経症」に病名変更。2009年11月に「神経症」になりました(うつは治まったらしいです)。2010年8月を最後に通院終了。今後は予防療法を模索して行こうと思っています。
こよなく愛するモノ:エレクトーン、グレープフルーツ、ふくちゃん(一緒に住んでるうさぎ)、バート・バカラック、ビリー・ジョエル、80〜90年代洋楽。
訪問させてもらっているブログ:
Someday
Blueberry Yogurt Parfait
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